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ヤなやつに見つかったとほぞを噛んだが遅かった。
「女と何処か行くんなら、俺も連れていけよ。もう1人呼んでな。」
「えぇ!?」
「なんだ?嫌だってのか?社長にチクってもいいんだぞ?」
ニヤニヤとスケベな笑みを浮かべて断れない状況に追い込んでくる。
ふと、気が付くと小川の後ろには美樹が来ていて話しを聞いている。
顔の表情だけで、早く追い返せと言っているようだ。
かなり怒っているみたい…
『最悪だ…』
心の中でつぶやいた。
相変わらず小川は何やらまくし立てているが、新は美樹の表情が気になりそれどころじゃない。
とうとう美樹がぷいっときびすを返して、改札を入ってしまった。
『えぇー!?怒って帰っちゃったよ!』
人混みに消えてゆく美樹の黒髪を目で追いながら新は悲しい表情になっていた。
「秋津?お前聞いてんのかよ!?」
どうも自分の話しを聞いていない事に気付いた小川が新を咎めた。
「え?き、聞いてますよ!」
「で?お前の女はどこだ?」
「それが…」
「なんだ?フラれたのか?」
『お前のせいだろが!』
思わず心の中でおもいっきり突っこんだ。
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