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「じゃぁ、しょうがない。お前にはもう用ないから俺は帰るぞ?」
女を紹介してもらえないと解ると、小川はさっさと新と別れて歩きだした。
「はぁ…」
唖然として、小川の後ろ姿を見送ってハタと気づいた。
「あ!美樹!!」
慌てて携帯を取出し美樹にかける。
【…お客様のおかけになりました電話は電波の届かない…】
電源を切られたのだろうか、繋がらない。
「小川めぇー!」
元々嫌な奴と思っていたが、今日程憎らしく思えた事はない。
「今日は朝からなんて日なんだ…」
そう呟いた時、脳裏に聞きたくない声がした。
『新よ、奴を殺ってやろうか?』
ビクッとして、辺りを見回す。
『大丈夫だよ。周りには俺の声は聞こえない。』
「お…お前、目が覚めたのか?」
『ああ、よく寝たよ。』
「こ、殺すなんて物騒な事言うなよ。」
『なぁに言ってる。一瞬でもお前が望んだ事を俺が叶えてやろうってんだ。』
「バカなことを!?」
『心配するな、お前の体は使わせてもらうがお前がやった痕跡は残さない。』
「そう言う問題じゃないだろ!」
思わず大声をあげ、周りから変な視線が集まる。
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