第一章

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「じゃぁ、しょうがない。お前にはもう用ないから俺は帰るぞ?」 女を紹介してもらえないと解ると、小川はさっさと新と別れて歩きだした。 「はぁ…」 唖然として、小川の後ろ姿を見送ってハタと気づいた。 「あ!美樹!!」 慌てて携帯を取出し美樹にかける。 【…お客様のおかけになりました電話は電波の届かない…】 電源を切られたのだろうか、繋がらない。 「小川めぇー!」 元々嫌な奴と思っていたが、今日程憎らしく思えた事はない。 「今日は朝からなんて日なんだ…」 そう呟いた時、脳裏に聞きたくない声がした。 『新よ、奴を殺ってやろうか?』 ビクッとして、辺りを見回す。 『大丈夫だよ。周りには俺の声は聞こえない。』 「お…お前、目が覚めたのか?」 『ああ、よく寝たよ。』 「こ、殺すなんて物騒な事言うなよ。」 『なぁに言ってる。一瞬でもお前が望んだ事を俺が叶えてやろうってんだ。』 「バカなことを!?」 『心配するな、お前の体は使わせてもらうがお前がやった痕跡は残さない。』 「そう言う問題じゃないだろ!」 思わず大声をあげ、周りから変な視線が集まる。
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