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「怒る度に殺してどうするんだ!?」
『何が気に食わんのだ?俺とお前とは利害が一致しているはずだろ?』
「バカなことを!」
『今はまだ慣れないだけだ。そのうち慣れるさ。人間とはそんなものだよ。』
新は必死に言い返した。
「そんな事はない!人間には愛と言うものがある!」
『………』
一瞬の静寂が部屋を包んだ…
しかし、次の瞬間新の中の者の声で簡単に破られてしまった。
『ぷっ!ぷゎっはっはっ!』
いきなり爆笑されて面食らった新は、ムッとして聞き返した。
「何が可笑しい!?俺は大真面目だぞ!」
『お前は本気でそんな戯言を言っているのか?』
「ざ…戯言!?」
『くくくっ!本気らしいな…あぁ、腹が痛い!!』
「貴様!」
殴り掛かりたいが自分が相手では振り上げた拳の持って行き場がない…
《ドンッ》
行き場をなくした拳を仕方なく畳に叩きつけるしかなかった。
『解った、解った。では、こうしよう。』
なだめる様に新の中の者が言う。
「…何だ!?」
『俺にお前の言う【愛】とやらを見せてくれ。』
「愛を?」
『そうだ。愛だ。』
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