第二章

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「なぁる!いいよなぁ、モテるヤツは。」 柳沢も意味ありげな笑いを返した。 「そう言う訳なんで!すんません!」 「解ったよ、後は俺がやっとくから。借りは返してもらうからな?」 「了解!今度奢りますから!」 そう言って出口へ向かう背後から柳沢の冗談とも取れない声がした。 「たけぇぞぉ!この借りは!」 新は首を竦めて右手でVサインを作って見せながら工場を後にした。 新は駅に向かいながらお尻のポケットに突っ込んである携帯を引っ張りだし、メールを打ち込んだ。 《きょ…う…、…あ…え…る……?》 元来、メールなどあまりしない質なので一行打ち込むのにえらく時間が掛かる。 文字を打ち込むより、直接話した方が新の性分には合っているのだが、今日は妙な緊張感があり、感情を悟られないメールにした訳だ。 やっとの思いで作りあげ、送信ボタンを押した。 電車に乗り込んだ頃、美樹からの返信が入った。 《ピロロッピロロッ》 お尻から着信音がなった。 車内なので、慌てて携帯を開きメールを確認する。 『大丈夫だよ💓  6時に駅でいい?  それより  どうしたの?  ✉なんて珍しい💧』
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