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読んで苦笑いが出た。
もっともだ。
自分からメールなど、まず今までした事などないのだから…
言い訳の返信をしようかとも考えたが、それも何だか照れて止めにした。
『会った時に話そう。』
車内アナウンスが次の駅を告げていた。
ホームに電車が勢いよく滑り込み、ドアが開く。
ホームに降り立つと目の前には美樹の笑顔があった。
乗り込む車両は何時も決まっていて、美樹もそれを把握している。
予めその場所で待っていた訳だ。
「みっ、美樹!?」
改札までに気持ちの準備を整えるつもりでいた新は、少々動揺した。
「時間通り、何時もの電車ね!ふふっ。」
美樹と会う時は平日は何時も夕方6時だ。
6時に間に合う為にはこの電車でないと間に合わない。
美樹はそれを知っていた。
「なに、驚いてるのよ。何時もこの電車でしょ?」
「いやっ、そう言う意味じゃなくて…」
出鼻を挫かれた様で、しどろもどろになっている。
「今日はなんなの?急に。」
そう言った美樹の言葉にかぶさる様に、久しぶりにあの声が聞こえた。
『こいつか?』
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