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そこへ着替えを終えた清瀬が出てきた。
「刑事さん、お待たせしました。」
「すいません、では行きましょうか…入曽、あとは頼んだぞ?」
井草は清瀬を伴い手前のパトカーの後部座席へ滑り込んだ。
「署へ行ってくれ。」
制服の警官に指示をして、パトカーは署へ向かった。
新はここに居ても何も解りそうもないと思い、自分の部屋へ引き上げた。
部屋へ向かいながら、思わずニヤけている自分に気付いた。
「!!…俺、笑った?」
自分が自分でないような不思議な感覚…
「どうかしちゃったんだろうか…」
心の奥に何か得体の知れないもう1人の自分が棲み付いているような、嫌な感じだ。
焦る気持ちを押さえて小走りで部屋のなかへ戻った。
洗面所の水栓をひねり顔を洗った。
ふと見た鏡に映る自分の顔…
目線が合った時、自分に話し掛ける自分がいた。
「なにを驚いているんだ?」
自分で喋っているのに驚いた。
「俺が言ってるのか!?」
「そうさ、俺はお前だ。」
「!!」
言葉にならない…
ならないが喋り続ける自分…
「昨日からお前の中に棲み着かせてもらった。」
「ど…どうなってんだ!?」
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