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『――だから言ったろう?信じるべきでは無かったと』
傍らに立ち言い放つその男を、薄目を開けてそっと見つめる。
飽く程に幾度も見た。
知恵を借りる事もあった。
なのに何故……
紅い液体に身を沈めながら、片方しかない瞳を閉じる。
『さようなら――』
再び開けた瞳に映る男が、何故か切なそうに微笑む。
『――さようなら、オーディン……』
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