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黄金の林檎を口にする事で、神々は永遠の若さをを保つ。
それを失うと言うことは、徐々に老い始めると言う事。
『来るべき災厄』に備える術を失う事になる――
「今はイドゥンを連れ戻すのが先決だな。ロキ、頼めるか?」
「まぁ、俺が行けば一番怪しまれないだろうし」
ロキは深緑の瞳を、真っ直ぐオーディンに向けた。
「やはり、帰りづらいか……?」
「まぁな。結果的には『実家』を裏切ったようなものだろ?」
オーディンは押し黙った。
ロキは巨人族の出だった。
が、オーディンに実力を認められ、兄弟の契りを交し、敵対するアースガルド――ヴァルハラ宮に迎えられた。
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