第一部

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黄金の林檎を口にする事で、神々は永遠の若さをを保つ。 それを失うと言うことは、徐々に老い始めると言う事。 『来るべき災厄』に備える術を失う事になる―― 「今はイドゥンを連れ戻すのが先決だな。ロキ、頼めるか?」 「まぁ、俺が行けば一番怪しまれないだろうし」 ロキは深緑の瞳を、真っ直ぐオーディンに向けた。 「やはり、帰りづらいか……?」 「まぁな。結果的には『実家』を裏切ったようなものだろ?」 オーディンは押し黙った。 ロキは巨人族の出だった。 が、オーディンに実力を認められ、兄弟の契りを交し、敵対するアースガルド――ヴァルハラ宮に迎えられた。
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