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「佑樹、また見てるのかよー」
シンが、僕の頭を教科書で叩いてきた。
「あー彼女いいよな~。」
僕は今、一人の女の子に恋している。
そりゃ、僕だって健全な高校生だ人並みに恋はする。
彼女というのは同じクラスの『早川 美姫』だ。教室でいつも本を読んでいる。人とあまり喋らない。幾人か友達はいるようだけど…静かなタイプなのか?はたまたクールなのか?しかし、そんな彼女に心を奪われている。
「そんなによけりゃ話てくればいいのに。」
シンが僕の横で彼女を見ながら言ってきた。
「話せれば苦労しないって…」
そうなのだ。僕は一度も彼女と喋ったことがないのだ。いや、あったかな?あっても事務的なことだけだ。「早川さん。先生が呼んでるよ。」みたいな。
「まー、人それぞれ趣味は違うだろうからな。思う存分眺めてろよ。」
と、シンは再び僕の頭を叩くとどこに行ってしまった。
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