夜月

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夜月

俺には友達が居ない… 別にそれはそれでだれにも観賞される事の無いこの世界に安らぎさえ感じていた。 いつも、学校の保健室で放課後まで眠る生活。 たまに怪我をした奴が入ってくるが、 俺の事など見て見ぬふりだ。 こないだ廊下を歩いていると、 俺の噂を耳にはさんだ。 「何を考えているのかわからない変人」だとさ。 俺は何を言われようが平気だった… そんな事より、 この一人孤独の世界の余韻に浸る事でとても優越感を感じる事が出来た。 誰も俺に構わなくていい。 そんな時、 眩しい笑顔のあいつが 俺の世界に図々しくも入って来た。 俺が星一つない暗闇の中の月だとすると、 あいつは全部を明るく照らす太陽のようだった。    
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