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「ねぇ、今日も勉強教えて!」
また朝香は保健室へやって来た。
それもいつもと変わらず満面の笑みで…
「嫌だ。」
俺はそう言い放ちベッドの布団を被る。
しかし俺の抵抗は、
朝香の前では意味の無いものだった。
結局、朝香のしつこさに押され、俺は今日も勉強を教える。
「あのさ、なんで俺に喋りかけようと思ったの?」
俺は前から疑問に思っていた事を朝香に思い切って聞いてみた。
「えっ!?それは、留年の危機だったし、頭良いって聞いたし…」
朝香はペンを走らせながら、
俺の質問に答えた。
「別に俺じゃなくても、もっと他の人とかいるじゃん。」
俺は小さな声で呟いた。
「実は言うと興味があったんだよね。…月岡拓真と言う人間に!」
朝香は、にやにやしながら俺を見た。
それは男としての興味とは天と地がひっくり返るほどかけ離れていて、まるで新種の生物を見付けたような言い方だった。
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