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僕はいたって普通の子供だ。
よく遊び、笑い、泣き、元気いっぱい。擦り傷だらけで 、毎日みんなと走り回る。
だけど…たまに、ふらっと一人で遊びに行く。
雲ひとつない快晴。
こんな日は、秘密の場所へ行く。
秘密と言っても、丸見えなんだけどね。意味が違うんだ…僕だけが、感じられる場所。
絶好のタイミング。
堤防の砂山のひとつに駆け登る。
てっぺんで仰向けに大の字に寝転ぶ。
見えるのは、青い空に淡く白い月。
聞こえるのは、波の音と遠くに聞こえる工場の音。
肌に感じる冷たい砂…。
ごぉーん…ごぉぉーん…。
まるで別世界のようだ…。
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