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振りほどくが、また、掴んでくる。
「待ちなさい!」
「離せ!」
そんな攻防戦を繰り広げながら、玄関のドアを思いっきり開けた。
俺達の動きも、声も、全てが止まり、釘付けになった。
そこには、キョトンとこちらを見ている野良犬が一匹。その顔には、マジックで眉毛がイタズラ描きされていた。
あまりのマヌケ面に、笑うを通り越して脱力感が…固まる二人。
沈黙を破ったのは、母だった。
「今夜は、まー君の好きなシチューだから、部屋に戻りなさい。」
一瞬さっきの事が頭を過ぎるが、萎えてしまった。
「…うん。」
俺は、ドアを閉めながら思った。
(描いた奴。。。天才?)
…パタン!
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