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数分後、俺と和志はと学校から少し離れた街に来ていた。
結局、和志に言いくるめられて嫌々ながらもここまで一緒に来ることになった自分を情けなく思う。
「はぁ~、んで、何買うの?
六角レンチか? フレアナットレンチか? それともモンキーレンチ?」
歩きながら興味なさげに目的を聞く。
というより興味なんざない。が、俺を付き合わせる理由を考えると大量に物を買うから荷物持ちなのか、それとも別のことなのかいろいろ思いつくが悪い予感がしてならない。
「謎の締緩作業の工具ばかりチョイス! 遠まわしに頭のネジが緩いといわれてるのか! って、そんなことないわぁ! はぁ、とりあえず本屋と電気屋に行くつもり、だけどまずは、飯だな」
そーいや、朝から…いや昨日からなんも食べていなかった。
俺の財布の中身はどこかの社会のゴミどもにもって行かれたからな。
「お前のおごり。それ以外は認めない、文句があるなら62代伝承者にでも言ってくれ。よし、早速行こう」
「はいはい、どーせお前金持ってないんだろ? 少しだけだかんな」
さすがは、付き合いが長いだけはある。
こう言うとなんだか、俺が頻繁に不良からカツアゲされているように聞こえるが、そんなことはない。月1程度だ。多くはない。
「よく分かったな。でもおごるのは当然のことだからな!
わざわざ、お前のくだらない雑事に付き合わされてんだからな。このぐらいの報酬にも含まれない当然の福利厚生だと思え」
「まぁーまぁ、怒るなって。最初からお前の財布には期待してないから。よし、あのファミレスでいいな」
ということで、和志が指定したファミレスへと入って行った。
ファミレスには少し不満だが、まぁ、どこぞの高級レストランなんて行くほど金は持ち合わせてはいないだろうから我慢するとしよう。
これは俺の責めてもの慈悲、寛大な心のなせる技。
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