第4話 鳴かぬなら…

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「あー、なんとなく解った」 和志のこの軽い言い方はたぶんわかってない証拠なんだが、今はこれでいい。 「たぶん、あいつは拳銃以外の武器はないと思う、だから…あと1発」 ここは俺のただの勘なんだが……。 「こんのクソガキー!調子のってんじゃねー!」 騙されたことに気付き怒り狂ったように向かってくる。 気付くの遅いって……。 「この調子ならすんなり最後の弾使ってくれるかもな!」 よーし、もういっちょ、おちょくってみますか! こういう時だけ無性にやる気が出る俺は変な人か? まぁいい、今はそれどころじゃない。 「……お、おい、ちょっと……見ろよ……」 和志は物影から強盗の方を見ている。 和志の顔に陰りが入っていることから事の重大さがわかる 「な……なんだと……反則だろ……」 なんと、強盗のやつ手榴弾を持ってやがる。 おーい、俺の勘は全然使い物にならねぇじゃねーかよ。 「くっくっく、お前らうぜーからこれでドカーンと死んでくれ! くっく!」 俺が自虐してる間にも強盗は変な笑い方をして興奮している。 そして、勢いよく手榴弾のピンを抜いた。 「やっ! やべーよ、ど、どうすんだよ」 和志は隣であたふたしている。 今のこいつは耳元に纏わり付く蝿よりもうっとく思える。
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