珍客

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 次の日の朝、朱華は待女の彗結からある報告を聞いた。 「今、城に珪 悠咏樣がいらしてます。」 朱華は驚いた。 珪一族といえば、光ノ国では第二の力をもつ一族で、知識の面で多くの秀人を輩出してきた名家だ。 だが最近、珪一族内で族主争いが起きているのを朱華は知っていた。 「登城したとうことは、珪一族の族主が決まったのね?そしてそれがその悠咏樣なのね?」 「いえ、まだ悠咏樣は、族主任命式について、主上にハッキリと報告を申してはおりません。 悠咏樣といらした菖韋樣かも分かりませんし…。」 朱華は眉を寄せた。 「どういうことかしら…。普通、登城してからすぐ申し出をして、族主任命・お披露目をするはずなのに…。」 「高官達も、不思議に思っているようです。ここ数年、珪一族はあまり表に出ずおとなしくしていたのもあり、怪しく思う者もおります。」 「確かに…。 何か良くないことでも考えてんのかしらね?まぁ何事もなく、悠咏樣方の用が終わればいいわね。」 「えぇ。  ところで朱華樣。今日の午後は女官達の教育に力を入れたいので、お勉強は無しになります。」 朱華はパアッと顔を明るくさせたが、はっとして元の表情に戻した。 「あら残念ね。じゃあ私はゆっくり過ごすことにします。」 彗結はくすっと笑った。  (変な見栄張らなくても、素直に喜べばいいのに…) 「申し訳ございません。では失礼します。」 彗結は一礼して部屋を出て行った。 その直後、朱華は椅子から立ち上がり叫んだ。 「ぃよっしゃあ!!何して過ごそう!?」 フッと窓の外を見た。いい感じに青空。 「ん…とりあえず城の中歩いて、なんか探すか♪」 朱華は気分ルンルンで、明日の宿題を片付けるため、勉強机に座った。
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