珍客

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少し経ち、萠喜が顔を上げた。 いきなりの態度の変貌に驚いた男らは、慌てて退勢を整えた。 「いえ、こちらも報告無く来て申し訳ない。」 「いやぁこんな宮の奥に来るとは思っーー」 男の一人が喋ってた男の尻を強くつねった。 「ははは、で、お話をお伺いたいのですが…。」 男がそう切り出した途端、話すのも嫌そうなオーラを出してる萠喜が、怪訝そうな顔をした。 「あの、お二人はどちら様でしょう?」 「はい。こちらに座られてるのが珪 悠咏様、私は仕人の珪 菖韋です。」 「ウソっ!?」 それを聞いた朱華は少し驚き、萠喜は青冷め膝を付いた。 「申し訳ございません!私、そんな高位な方とは知らずに無礼を…!」 「いえいえ、たんに一族ん中の長男なだけだし、気にすることないからさ。」 「はぁ…。」 そう言うと悠咏はニコッと笑って、目の前にあるお茶に手をつける。
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