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「珪 悠咏様…。
そのお言葉には関心できませんね。どういうおつもりです?一体なんなんです?
なぜその答えに辿り着くのか理解出来ませんね。」
「まったくもって、ありえないほどズバ抜けた思考回路の持ち主・無礼者で申し訳無い萠喜殿ーーー。」
「おいっ!!!」
やれやれと顔を見合わせ、悠咏を小馬鹿にする萠喜と菖韋。
その光景に、朱華は笑い出してしまった。
「まぁ 私は構わないわ。歳も近いしね。
第一、皇女に対して呼び捨てにしてくれる方なんて、居なかったもの。」
「朱華様!激激激甘ですっ!」
「フフっ そうかもね。
でも一族の前で呼ばなきゃいいことでしょう?」
「私も名前を読んでもらいたいよー。呼ばれたこと無いもんー。」
「「なっ…!!!?」」
「いいでしょー萠喜?菖韋殿??」
もともと風華付きの女官のお願い姿に萠喜はグハッとダメージを受けてよろついた。
「ふ、風華様がそのようにおっしゃるのなら、私は構いませんわ…(満面の笑み)。」
「わぁい♪ありがとー萠喜ー!」
風華が飛ぶようにはしゃぐ。
そして、かろうじて風華の魅力を急所にくらわなかった菖韋が壁にもたれてボソボソ呟いた。 「くっ…。本題に入る前に精神的に攻撃を受けてしまった…。何だあの笑顔は…!武器化してますね…。」
風華を見慣れている朱華は、もろにダメージを受けた悠咏を可哀相に思った。
(まぁ‘麗しの花’と呼ばれる位の容姿だからね…。)
グッタリしながら菖韋は椅子に座り直す。
「さて、私も名前で呼びますね。
で、話に入るけど、悠咏殿らは何故私達の元へ??」
悠咏と菖韋の瞳が真剣に変わるーー。
そして二人は語り出した。
「今、私たち珪一族は新たな族主を立てようとしており、選ばれたのがここに居る悠咏様です。
新たな族主になる為には、任命式を行わなければならない。
我らはそのために城へ来ました。
そして登城の際、私達二人は一族の者達より、ある指令を下されました。」
「指令…ですか?」
悠咏が頷く。
「あぁ。私の族主任命式を執り行う前に、次代国王を見定めよ。と…」
次代国王一一一…。
つまり、現時点では王位継承者の朱華と風華を指す。
この二人のどちらかを見定める??
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