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皇女らは疑問に思った。
「あの一。
見定めると言われても、現在、第一継承者は朱華と決まってますから、第二の私は対象外でわ一?」
「そうですね。
確かに今現在では、第一皇女である朱華様が王になるでしょう。」
話の間に悠咏が入る。
「……二人共、『予示の蒼玉』を知っているか?」
((予示…の…蒼玉…?…))
悠咏の言葉を聞き、朱華と風華は勉強の合間に見ていた資料に記されていた『宝』についての一文を思い出す。
「……『時空を渡りて先を見透える静かき蒼、光と闇を憂いる玉。』…」
その一文を口にしたのは朱華だった。
その様子を見て悠咏が感心する。
「ほぉ。知らないと思ってたんだが、な一んだ知ってんじゃないか!
さっすがお姫様だな。勉強してんだなぁ?」
その悠咏の言葉に少し後ろで立ち控える萠喜が、
『ホッホッホ!!当たり前よっ!なにせ私と彗結が教育係として付いているんですからっ!』
と、言わんばかりにハハンと胸を張った。
(め…萠喜…)
、萠喜が仕える主人である風華には、なんとなく心の声が聞こえた気がした。
「で、その伝説とされる玉がなんです?」
「はい。
我が珪一族には、先祖代々の家宝がございます。
そしてそれを扱えるのは族主だけ。
ですが、今まで族主全員が使えた訳ではありません。
稀なんです。」
「でな。
私は新たな族主になる為の試練を何個かクリアし、最終の試練ってやつが家宝に触れる。というもんだったんだ。」
ふっと菖韋の顔が曇る。
「で、触れたんですね一?」
「あぁ。
最後の試練は楽勝だな ぃよっしゃあ!!
…って思いながら触ったら突然光ったんだ。」
「へぇ一光るなんて不思議な玉ですね一。」
菖韋は目線を自分の手元に落とす。
「…えぇ、普通の玉なら光りません。
むしろ光る方が逆に怪しいんです。」
「まぁそうですね…ん?……光る…?」
「…そう、その逆が起こったのです。」
「私が玉に触れた途端に、蒼く光りだしたんだ。」
「悠咏が触れた途端に…?」
「はい。
今まで、光ったことは無いわけじゃないんですが、前例は少ないのです。
色も様々だったらしいですし。
ただ、今までの例すべてに共通点があるのです。」
((共通点…。))
その言葉に、朱華と風華は俯き気な悠咏を見る。
そして悠咏は重く口を開いた。。
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