第二章:その名の由来

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 カカシは左目を開くと赤い卍(まんじ)が現れた。それに水鯨が気付くや否や、足を止める。   『その目‥‥‥まさか、木の葉の"うちは一族"か?!噂に聞く‥‥‥それがあの"写輪眼"か。』      !?、それを聞いた同じ木の葉の忍であるガイ、紅は驚いた。   "うちは"ではないはずのカカシが写輪眼を持っているはずがない。   ガイが何故その目を持っているのかと聞くが、カカシは何も喋らない。     何も喋らないカカシだが、再びクナイを構えて水鯨に向かっていく。     『ガイ!!紅!!各自言った通りにするんだっ!!』   そう言いながら無数の手裏剣を投げた。   だが、それを水鯨は安易にかわした。   その隙を狙い、カカシは千鳥を発動して腕を振り抜こうとした時、     水鯨の手元を見ると何かの印を結んでいた。   『俺の勝ちだ。雷遁・雷針避弾(らいしんひだん)の術!!』     発動された術はカカシに直撃した。カカシは黒く焼け焦げ、堪(たま)らず床に膝を付いた。     何故だ、何故なんだ?‥‥‥そんな顔をしているカカシに水鯨は、辺りを良く見てみろと言う。   辺りを良く見ると、霧の中に微かにあのジェルの粒子が紛れ込んでいた。さっき、手裏剣を避けた際に、空気中にジェルを残していた。そのジェルが電撃を誘導し、術を受けてしまったのだ。   ゴホッゴホッ、カカシは咳をしだした。とても苦しそうだ。   (あの電撃を喰らってしまっては‥‥‥肺が焼けたか。オビト、俺に力を‥‥‥)   そう思いながら、胸を押さえた。   水鯨はおかしいなという顔で、   『にしてもお前、まだ写輪眼を完全に使いこなせてない様だな。   噂では雷を見切れると聞いたが‥‥‥どうやら本当に噂のようだったみたいだ。』   と言い捨てた。二人が話している時、水鯨の背後から大きな刀が振り降ろされた。それをギリギリかわそうとしたが避けきれず、肩に傷を負った。     水鯨が振り向くと、大剣を持った甲牙だった。甲牙はすかさず手裏剣を取りだし、投げ、術を発動した。   『水遁・水手裏剣の術!!』  手裏剣の形を型どった水だけのものと、その中に手裏剣が入ったものを紛らせている。それを見切れずに水鯨の体に無数の手裏剣が刺さった。     更に追い討ちを駆けようと、大剣を振ろうとした時、また水鯨はさっきの術を発動した。甲牙はそれを受け、体が焼け焦げ、床に倒れてしまった。
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