第二章:その名の由来

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 電撃によって辺りには煙が充満した。水鯨はそれを見ると刀をおさめた。煙は段々薄くなり、二人の姿を確認しようとした。だがそこに二人の姿はなかった。周りを見渡すと、向こうのガレキの陰に隠れていた。水鯨はまだ何が起こったのかわからない様だ。     ガレキの陰からガイを残し、カカシがスタスタと歩いてこちら側に向かって来た。水鯨は疑問を投げ掛けた。   『確実に当たったはずだった!!それにお前は俺の術を見切れなかった!!なのに何故‥‥‥。』     カカシは静かな口調で答えた。   『お前の術は俺が見せた幻影、つまりお前は俺の幻術にかかっていたのさ。それに‥‥‥お前の術を今度は見切れた。 ‥‥‥俺はオビトの事をふっきれず、オビトに助けを求めていた。だが、俺には守るべきものが今(ここ)にいる!過去ばかりを振り返っていては、未来(さき)はいつまでたたって見えやしないんだ。』   (そうだろ‥‥オビト)   そう言うと、カカシは印を結んだ。     カカシの右手が青く光り、チチチチッという高音が辺りに響いた。   それを見た水鯨は、何故か不敵な微笑を見せていた。すると、ゆっくりと上に向かって指を指した。   何だ、とカカシは上を見上げる。戦っている大部屋の上には雷雲があり、今にも雷が鳴りそうだった。   水鯨は声を出して高笑いをし始めた。まさかと聞くと、   『終わりだ。俺はお前には勝てない‥‥‥だが負けもしない。このジェル目がけて空から雷が堕ちるだろう!!皆死に、大名も死ぬ!!』    そう言い終えると、また高笑いをした。雷が堕ちれば、ここにいる者だけではなく、この城に多大な被害が出るだろう。   カカシは発動している右手の"千鳥"で雷を防ぐ事を決断した。     それを見るや、水鯨はカカシに無理だと鼻で笑った。だが、カカシは本気だった。   (未来だ!未来を見るんだ!!そして‥‥‥大切なものを今度こそ守るんだっ!!)    その時、天空から一本の雷(いかずち)が忍ら目がけ堕ち、雷鳴を轟かせた。   それに向かって電光石火の如く、物凄い速さでそれに右手を振り抜いた。   『うぉぉぉぉ!!千鳥!!!!』  バチチチチッ!!!一本の雷は分散し、城の周辺の木々に堕ちた。その俄(にわ)かには信じられない光景に一人の忍はこう呟(つぶや)いた。   『"雷"を"切"りやがった‥‥‥』   その場にいた者、城の者は皆、その目を疑った。
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