第二章:その名の由来

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 『‥‥‥その事が水鯨に"復讐"という行動を取らせたのだ。そのため、本来悪い者はあそこにいる大名なのだ。』     そう言い終えると、大名に向かって大剣を高々とかざし、こう言い捨てた。   『人道を背きし、悪しき者よ!貴公はやはり裁かれなくてはならない!!』   それを聞くと、大名は自らの非を認め、水鯨に謝罪した。   甲牙は口笛をして部下を呼んだ。その部下達は大名を縛り、牢獄へと連れて行った。   大名がいなくなり、甲牙にありがとう、そして済まなかった、と言い残し、水鯨は息を引き取った。それを静かに、しっかりと見届けた。     ───城の外、そこから城の様子を伺うと、何日か前の戦跡があり、それを修復している者達が見える。   カカシはあの戦いの記憶を辿り、水鯨について考えていた。そこにガイ、紅が来た。   『カカシ!!何考え込んでる?このライバルにして命の恩人に話してみろ!!!!』   ガイは来た早々、熱く熱く話しかけてきた‥‥。紅はそれを笑って見ている。   だがカカシは、真剣な顔を崩さないで呟いた。   『アイツは"大切なもの"を守ろうとしただけだった‥‥‥だけどそれが少し遅すぎたのかもしれないな。』  『カカシ‥‥。』   紅が心配そうな顔したそんな時、   『ダイナミックエントリー!!!!』   ガイがカカシに蹴り込んで来た。カカシはそれを受け止める   『なにすんの?!ガイ!?』   不意をつかれたが受け止めるとはさすがは我がライバル、とガイは言った後、   『カカシよ、あの時の"雷切"は凄かったぞ!!今度は俺に向かってやってみろ!!!!そうすればスッキリするはずだ!』   ‥‥‥少しの間が開き次の瞬間、カカシと紅は笑った。ガイなりに心配してくれている、それが嬉しくもあり、おかしくもあった。そういえばと、カカシはガイに聞く。   『さっき"雷切"って言ってたけど何だ?それ。』 それにガイはこう言った。  『"雷"を"切"った‥‥‥だから千鳥ではなく"雷切"と呼んだ方がよいであろう。響きもいいしな!』   なるほどとカカシは納得した後、 『そういえば"これ"喰らってくれるんだったな?行くぞ、ガイ!!!』 そう言い、右手を構えた。ガイはさっきのは冗談だ、と辺りを逃げ回っていた。    ‥‥‥こうしてカカシ班の任務は終了。そしてカカシ唯一のオリジナル技"千鳥"にもう一つの呼び名"雷切"がついたのであった。
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