第三章:暗部~潜入~

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 "つちやコウセキ"その名前を聞いた隊員達はやはりな、と頭を抱えた。   何故情報が漏れたのか、里の者に裏切り者がいるのかもしれない……襾班は少しの間そうして動きを止めていた。     だが、考えていても仕方がない。襾班は再び土の国に向かい始めた。      ───そして、途中敵に襲われたが難無く土の国に到着した。     すぐにコウセキが居るとされる城に潜入すると、そこにはブービートラップが数多(あまた)仕掛けられてあった。   落とし穴、頭上から千本が降って来たり、壁が迫ってきたり……。     そうした罠を容易にかいくぐり、襾班はある部屋の前にすっと立つ。情報ではこの部屋に標的(ターゲット)が居る。     カカシは合図をし、扉を開けるや否や一声に入った。しかし、見ると人の気配がなかった。これにカカシは一早く気付くと叫んだ。     『これは罠だっ!!!』     その声で隊員達は部屋を出ようとするが、扉が閉まりビクともしない。   扉が開かないとわかると、すぐさまカカシは印を結んだ。     『雷切!!!!』     その右腕は壁を貫き、大きな穴を開けた。   そこから出ると、そこは荒れ地が広がっていた。さっきまでは城の中に居たはずなのに……。これを見るや隊員達は印を結ぶ。     『解っ!!!』     幻術だと見破った隊員達は幻術返しで術を解いた。     周りを見るとそこにコスモスの花びらが落ちていた。それを指差しイタチが、   『どうやらこの"コスモス"で術をかけたようですね。………嗅覚ではめるタイプか。』   そう言い、その花びらを燃やした。     その瞬間!!八方から手裏剣が飛んで来た。これに素早く反応したイネが術を発動する。     『風遁・風流昇(ふうりゅうしょう)!!!』     術によって風の流れが生まれ、手裏剣は天井に突き刺さった。   そしてカカシは額当てを上にずらし、左目を開けた。    『写輪眼!!』   その目で辺りを見渡し、一目散に突き当たりの壁に向かって走り出した。   『雷切っ!!!!』     その壁を右手で貫こうとすると壁が消え、そこから忍が現れた。その忍はその右手を避け、あのコスモスの花びらを辺りに巻き散らした。   『幻術・楊花千本の術!!!!』     すると辺りに花が咲き始める。その花は次第に数が増えていく。そして増えるのが止まると風が吹き始めた。
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