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対峙をしているその場は、なんとも言えないただならぬ雰囲気を醸し出していた。
だが面を被った男がその場の雰囲気を一変する。
『ゼツさ~ん、やっぱりこの人怖いデスね。』
どうやら、もう片方の男の名はゼツだという事がわかった。
『仕方ないよ、アノ ヒトノ メイレイ ダカラヨ。』
それを聞きき、しょうがないなぁ、と渋々イタチの方に顔を向け直す。
しばらく様子を見ていたイタチだが、ここで口を静かに開けた。
『貴方がたはいったい……それに狙いはなんなんですか?』
その質問に対する答えは、ゼツが即答した。
『ワレラ ソシキノ ナハ、"暁"だよ。君を組織に入れに来た。さぁ一緒に行こうかぁ、イタチ。』
ゼツはそう言い終え、行くのかと確認したのだが!!
『貴方がたに着いて行く理由がない。己の器を確かめてくれそうな魅力も伝わって来ない。』
イタチは身構えた。それを見たゼツは大人しく入ってくれないか、と肩を落としていたら、面男が前に出て来て、
『君の器の測りになってあげるよ、うちは君。』
そう言った瞬間、息を吐(つ)く暇もなくイタチが面男に向かって攻撃を仕掛けた。
クナイでその体をスパッと斬り、後ろを振り返ると、斬ったはずの体の傷口がどんどん治癒されていく。
『……斬ったはずだったが。』
イタチが疑問に思っている中、ふと自分の体が鎖に縛られている事に気付いた。
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