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その頃、オビトが埋まっている岩の所にある忍が近付いて来た。
その忍の様相は顔が半分ずつ全く異なる顔で、赤い雲模様の黒い衣を身につけていた‥‥その忍の名はゼツ。
『コイツクッチマウカー?いやまだ生きてるみたいだよ?アア、ホントダ。イキテヤガル。』
そう言い、ゼツは岩を破壊した。
ゼツのおかげで岩の下敷になっていたオビトの姿が現れた。
だがオビトの右半身は岩のせいで潰れており、左目はカカシに移植したため無い‥‥‥誰がどう見ても助かるはずがない。
そんな姿のオビトにゼツは哀れだなと言い吐いた。オビトは目が見えないが自分を哀れだと言った相手に
『‥‥確かにな、確かに俺は哀れだ。好きな子一人自分の手で救えず、挙げ句の果てに友達をかばってこの様だ‥俺に力があったら‥‥‥‥‥』
と泣き始めた。
ゼツはさっきまで食べてしまおうとしていた相手に対して同情の念を抱いていた。
そんな時、後ろの草陰から物音がした。
『‥‥!!』
ゼツはとっさに身構え後ろをむくと、そこに立っていたのはまだ15くらいの一人の少女だった‥‥。
その少女はゼツに一瞬驚いたが、気にもとめずオビトの元へと近付いて来た。
少女は泣きじゃくりながらなんと医療忍術で潰れた右半身の治癒をし始めた。
だがしばらくすると、その少女は手からチャクラを出すのを止めた。いっこうに治らないからだ‥‥。
また一層泣いている少女に、今まで見ているだけだったゼツは囁いた。
『その潰れた体を治す方法を教えてあげようか?』
その意外な言葉に戸惑いを隠しきれない少女だったが教えてくれと頼んだ。
『ソレハ、イキタ ニンゲン ノ ナイゾウ、ヒフ、キンニク ヲ イショク スレバイイ』
とゼツは言ったが、少女は落胆した。
確かに内臓移植などはできるが、筋肉は移植することが困難だった。
少女はそう告げるとゼツは笑った。
『ダハハハハ!!お、おかしい事いうね君。大丈夫だよ。ウチノ ソシキ ニ ソレガ デキルヤツ ガイル』
それを聞くと、その少女は何度も何度も聞き返した。
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