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その紙切れにはこう記されている
《今宵の夜、月の光が城の屋根を照らす時、水の国の大名を討つ》
これを読み終え、カカシが口を開けようとしたら、大名が先に
『その通りだ!私の命は今晩とられてしまう‥‥しっかり護衛してくれ!』
と情けない声を出した。
カカシはやれやれといった態度で言った。
『いやね、それなんですが‥‥‥大名を殺しに来るのは多分明日の明け方以降か、今日の夕方前、つまり今なんです。』
大名は何故そうだと言えるのか、と聞くとそれに答えた。
『大名を殺そうとしている者が、なんでわざわざ予告した時刻に来る必要があるんですか?
それに相手は腐っても元忍刃七人衆の一人‥‥‥そんな馬鹿正直に来るはずが‥‥‥!!』
その時!! 大部屋の窓が割れた。
そして辺りに薄い霧が立ち込めてきた。ガイはカカシの予測が当たったのに驚いた。
『カ、カカシ!!ホントに来たぞ!!』
大名もガイと同じ様に驚き、怯えていた。その周りを急いでカカシ、ガイ、紅、甲牙が囲んだ。
『来るぞっ!!』
そして中央のじゅうたんの上に"水鯨"が現れた。
その姿はジェル状の大剣を下げ、その刀に負けず劣らずの巨漢だった。
四人はクナイを持ち、構えた。大名は体を丸めて地面にうずくまっている。
すると、大名目がけてその巨漢は刀を手に取り襲いかかってきた。
『死ねー!!!!クズヤローがぁ!!!!』
手に取った刀を振ると辺りにジェル状の水が飛び散った。
『危ないっ!避けて下され!!』
甲牙がそう言うと、カカシ達は大名をかかいでそれを避けた。
カカシ達はその飛び散ったジェルを見たが何も起きない。
『これは一体なんなんですか?!』
と紅が甲牙に聞くと、
『あやつのチャクラの性質は水と雷。そのチャクラ性質をあの刀に流し、あのジェル状の水をばら撒くのだ。
そしてあやつは雷遁を発動し、あのジェルは電磁誘導という効果を持っていて、ガードは不可‥‥‥あやつは強い。』
そう言った甲牙の顔には汗が浮かんでいた。
カカシは注意するように言い、紅に大名を任せた。
ガイには水鯨の他に入り込んだ忍を倒すよう指示した。
そして、カカシは額当てを左目の上にずらした。
『さぁて、それじゃ行きますか。』
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