トオク トオク

5/7
前へ
/13ページ
次へ
                「そろそろ帰るわ...」   「.....」ボソッ   「ん?」   「奈々チャンのコト、好き?」   「.........うん」   「わかった...別れよ」   「....?」   「フジくんは奈々チャンと幸せになって♪」   「お前...いきなり....」   「じゃないとあたし、壊れちゃう」     俺も 限界だった     「...も..   俺も...限界だ..」   「うん、あたし決めた!!   フジくんを幸せにする!!」   「...」   「フジくんの幸せは 奈々チャンと結ばれることだよ♪   フジくんのツラいとこ... 見るのやだもん...」     俺はサイテイだ...   こんなにも思っていてくれた   こんな素敵な人を   俺は苦しめ続けていたんだ...   「だからねっ!! フジくんは..奈々チャン..と...」   紗弥加の嗚咽で途切れ途切れな言葉を 聞き続けた   「フジくんは...フジくんは...」   紗弥加が崩れ落ちた   【オレハドウスレバ?】   「ごめんな... 紗弥加... わかった...別れよう...   だけど紗弥加が嫌いとかじゃなくて..」   「嫌いに...なっていいよ...   嫌いに...」                                   紗弥加が泣き止むのを待って   落ち着いた頃に帰ろうと ドアへ向かった   「これでお別れなんだね...」   「今までありがとな...」   「だけど会社であったら またフツーのお友達ね^^」   「うん...」   紗弥加の優しさに   こっちも泣きそうだった   「じゃあね...」   「ばいばい..」                                               帰り道   俺はちょっとだけ   泣いていた            
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加