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「まだ、生まれないから~‼」
助産婦さんに止められるも
「もういいんです~。生むんです」
と生もうとするピンフロ
そのうち、いつ生まれてもいい状態になり
分娩室に移動するという
できるわけがない
動けるはずがない
「車椅子までは移動しよう」
助産婦さんが優しく促す
「しません」
「頑張ってしましょうね~」
「しません」
「しないと生めませんよ~」
「ここで生む」
「ピンフロさ~ん」
「ここで生む」
ピンフロの言うこと聞いてくれなきゃ
聞かしてやる
う~~~
勝手に生み始める
何て迷惑な患者か
今となれば分かるのが
あのときはあれがピンフロの精一杯だった
「ピンフロさ~ん‼だめぇ~~‼」
だめじゃなぁぁ~い‼
なんてやり取りをしていたら
体がふわ~っと持ち上がる
ものすごい勢いで車椅子が動く
しっかり握っていないとふりおとされるくらいの速さで動く
記憶にないのだが
助産婦さん
ピンフロを担いで車椅子に乗せて
走って行ったそうな
見ていた人によると
「あんな速さで車椅子が動くのは見たことがない」
そうな
その15分後
すぐさま生まれた
それが長男
懲りないピンフロ
その1年後には次男を生むこととなる
やはり
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ず~っと思っていたという…
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