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そう言えば、昨日から何も食べていない。
ぎゅるぎゅるぅの正体は、三十郎の腹の虫だったんだ。
三十郎は食いしんぼだったから、
生まれてこのかた、腹をすかしたためしがない。
だから、ごはんを食べないでいると、
腹の虫が騒ぎだすってことも知らなかった。
三十郎は、枝豆の弁当箱を開けると、頭よりでっかく口を開けて、
ハチミツのおにぎりを一個、まるごと放り込んだ。
あまぁ~いのが、
うまぁ~いのが、
じゅわじゅわぁって広がって、
ゆっくりと
やんわりと
のどの奥の方にしみこんでゆく。
しばらく、ポカ~ンと口を開けたまま、三十郎は幸せな気持ちを楽しんでいた。
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