義務教育の卒業式

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卒業式が終わり、数日あったある日I氏から電話が掛かってきた。 『卒業証書のことなんだけど、M先生から名前を間違っていたこと聞いたわ。校長先生にお願いして書き直したから、学校に取りに来てくれる?』 はっ…?何を今更…。いらないし、何で、わざわざ取りに行かなきゃならないんだよ。普通、過ちを起こしたのは、そっちだし、こっちに届けると言うならまだ分かるが、どうして…取りに行かなきゃならないんだよ。 私は、心の中で怒りに満ちていた。 私の心境が分かったのであろう。 学年、3つ違う二番目の姉が、やはり、高校を卒業した為、家に居た。 姉は、母を起こしちゃ可哀相だと言い、I氏からの電話に、母の代わりに出てくれた。 『I先生でしたっけ?私は、真友美姉です。いったい、I先生は、何を考えているんですか?妹が学校で、どれだけイジメとかに遭っていたか、ご存知ですか?それでも、教師と言えますか?最後の最後まで、妹を苦しめて、何が楽しんですか?卒業証書を取りに来いだなんて、よくも言えますね。そんなの妹は、いらないと言ってますし、二度とうちに電話してこないで下さい。はっきり言って迷惑です』 『ガチャン…。ツー・ツー・ツー…』 『これで良かったのよね?』と姉。 『うん…。ありがとう』
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