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朝、一番で学校に休むという連絡をしてもらい、私と母は、不登校生活の時と同じように、昼間から布団に入り寝ていた。
『あんたも、もうすぐ卒業だね。色々あったけど社会に出たら、もっともっと辛いことやら沢山あるだろうけど、精一杯頑張るんだよ。何かあったら、一番の友達だと思って、何でも相談してちょうだい』と母。
私は、熱で辛いだけに、うんと頷くのが精一杯だった。
熱冷ましを飲んで寝たこともあり、久しぶりに母と眠れたのは、嬉しかった。
そして、時間だけが過ぎていき、確か、午後の4時近かった頃に、家にある電話が鳴った。
誰だろう?と思いつつも起き上がることが困難で横になっていた。
電話に出たのは、祖母だった。
慌てた様子で、パジャマ姿のままの母に電話を代わった。
電話の相手は、中学校の先生の中の一人、K先生だった。
私は、重い体を起こし、電話に出ようと茶の間に足を運んだ。
当時、我が家にある電話は、黒電話であり、コードレスではなかった。
私が、やっとの思いで電話に出るなり、K先生の怒鳴り声が鳴り響いた。
『今日、謝恩会があったことは、あなた知っていたわよね?』
『あっ…。はい』
『よくも私を侮辱してくれたわね』
『え?』
『え?じゃないわよ。よくも私に恥を掻かせたわね。』
『どうしてですか?私が何か、先生に悪いことしましたか?』
『たくもう、白々しい。今まで教師生活を何十年とやってきたけど、こんな恥かいたの、生まれて初めてだわよ』
私は、何のことかサッパリ分からず、K先生の話を聞いていた。ただ、怒っていたのだけは、分かっていた。
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