義務教育の卒業式

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Nちゃんに、迎えに来てもらい、私は、頑張って行くことにした。 Nちゃんから、前日の出来事をそれなりに聞いて益々ショックだった。 Nちゃん自身も、私が風邪で休むことは知っていたから、花束贈呈の時は、かなり驚いたと言っていた。 いざ、学校に行くと、昇降口の前に、学年関係者の諸先生方が並んでいた。I氏と一瞬だけ目を合わせたが、何を言われるか分からない為、怖くてK先生のところへ行き謝った。 『よく来てくれたわね。昨日のこともあったから今日は、来てもらえないかと思ったわ。本当におめでとう』 私は、ドキドキしながらも謝って良かったと心から思った。 Nちゃんのおかげで、久しぶりに教室にも入ることが出来た。 『なんで、おまえが来るんだよ。図々しい奴が入ってきたぞ。ボイコットの奴が来たぞ…』等。 罵声を浴びせさせながらも私は、入って行った。私は、言っている奴らを睨めつけた。こいつらが私に責任を押し付けた奴らだと思い。 誰一人として、私に謝罪してきた奴は居なかった…悲しかった。 『ガラン…』 I氏が教室に入ってきた…。 『皆さん、卒業おめでとう。卒業後は、皆さん、それぞれの高校へ進学すると思いますが、こんなに素晴らしい、仲間が居たことを忘れないで下さい』 はっ…?みんな、それぞれが高校へ進学と言ったよな…。私は、就職すると言っただろうが…。 I氏は、まるで私を無視していたのが分かった。 私の方を、チラッと見てきて、今度は…。 『私は、皆さんと二年間共にして最高の幸せでした。皆さんと、まだまだ一緒に居たかったですが仕方がありません。本当に、卒業おめでとう』 I氏は、泣きそうな顔をしていた。 式の時間が来て、廊下に出席番号順に並んだ。
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