左手の名刺

義務教育の卒業式

いよいよ、式が始まり、１組から順番で担任が一人一人名前を呼び、教壇で卒業証書授与が行われた。

当然、在校生も居て、その後ろに保護者が並んでいた。

私は、３組で、出席番号は、中間より後ろの番号だった。

名前を呼ばれ、教壇に立ち校長先生から卒業証書を受け取ると、悲しいことを発見してしまった。

ここで、一つの暴露と行きましょうか。

私の名前は…『○○真友美』です。

卒業証書の名前には…『○○真由美』とありました。

つまり、『真友美』の『友』が『友』ではなく、『由』となっていたのです。

私は、一瞬、ショックのあまり、立ちすくんでしまいました。

そして、保護者席の方に目を向け、母と目が合いました。

母は、今にも泣きそうな顔で私の方をじっと見つめていました。

本当は、そこで、怒り散らしたかったけど、私の後ろの順番の人も詰まらせちゃうし、４組まであったので、諦めて席に戻りました。

席に戻った私は、ただただ悔しくて泣いていました。