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第三章-問題児は燃えていた-
「ッ!?」
私は驚きを隠せなかった。
「な、何をするんだぁ、バカモ…」
(ドカッ!!)
第二ラウンドの開始の合図のようにまた殴られた。
この男…熱いッ!!!
もう一発、といわんばかりに、拳を握り、振りかぶった。
その時ッ!!
(ポカンッ)
可愛い音がした。
同時に怒雷が倒れた。
「先生…大丈夫ッ??」
『13歳のハローワーク』を持った生徒が言った。どうやらこの本で怒雷を殴ったらしい。
私はこの小柄の男子生徒に助けられたのだ。
「あ…ありがとう。君、名前は???」
「『境 翔(サカイ ショウ)』って言います。」
「境君か。勇気…あるね。」
「いえ、いつもはコイツにイジメられてるんです。いや~、日頃の恨みがはらせて良かったです。」
生徒は可愛い面して怖い事をいった。
「そうか…それは…よ…かった…。」
私は気絶した。
「…ん、はっ!!!」
気付けば私は保健室にいた。
「目が覚めました???」
「境…お前…私をここまで運んだのか???」
「えぇ。ま、引きずって、ですけど。笑」
こいつ…できるッ!!私はそう思った。
境を褒めようとした、次の瞬間だった。
(ガラガラッ!!)
保健室のドアが開く。
「ど、怒雷くんッ!?」
「さぁ~かいィ~、お前が俺を『13歳のハローワーク』で殴ったそうだな…。タンコブできちまったぜ。覚悟は出来てるんだろうな…。」
「せ、先生ェ~!!!」
「怒雷…。やるなら先生とやろうじゃないか…。」
「上等だァッ!!!!」
どうやら第三ラウンドが始まるようだ。
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