伊藤幸宏の「ありがとう」

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「母さんには言ったのか?」 「いや、まだ。先ずは親父に伝えようと思ってた」 「そうか。帰ったら母さんにもちゃんと言えよ」 「分かってるよ。明日、面接なんだ。タクシーの運転手になろうかな。って」 この年まで働いた事のない私が、すぐにでも働けるような所が、タクシーの運転手ぐらいしか思い付かなかった。 「そうか…。お前がそう決めたならいいんだ。頑張れよ」 「うん」 「じゃあそろそろ帰るか。母さんが心配する」 「そうだね」
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