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肺転移が発見されてからの日々は、精神的に今までに無く過酷なものだった。
手術前検査・腫瘍摘出手術・放射線治療と、全てにおいて信頼しきっていたJ大学病院からは…
『脳への転移だけ気にしていたので、肺は全く見ていなかった』
と言われた…。
最近になって「耳下腺癌は脳と肺に転移しやすい」と言う記事を目にするようになったが、この時の私達はこの情報を知らなかった。
医師から『抗癌剤は必要無い。大事を取って放射線治療までしたのだから、これで心配ない』と言われていたし、その後は毎月必ず決められた検査を受けていたのに…。
よりによって12月に【肺転移】を発見できたのは、単なる偶然だったと言うのが悔しい。
しかし、たまたま頼んだ検査によって転移が発見されたとしても、この日に検査を頼まなかったら間違いなく発見は更に遅れていただろう…。
そう思うと、最悪に近いこの状況でさえ幸運に思えた。
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