耳下腺癌

4/4

26264人が本棚に入れています
本棚に追加
/375ページ
今後の治療方法や、本人への告知問題、カナメの会社の事など、考えなくてはいけないコトが山積だが…。 今私が一番やらなくてはならない事、それは家族には出来ない「恋人としてのケア」だと思う。 家族にしか出来ない事がアルように、他人の私にしか出来ない事だってあるはずなんだ。 私は医者じゃないから癌は治してあげられないけど、カナメがいつも笑っていられるようにしよう! それなら出来る!!! 恋だの愛だのの問題ではなく、私はただ人としてカナメを見捨てる事は出来ない。 これを“同情”と言うのかもしれないが、カナメはきっと… 『同情でも構わないから、側にいてくれ…』 そう言うと思う。 「カナメには私が必要だ」と強く感じられれば、きっと私は何があってもカナメと一緒に歩き続けるだろう。 カナメを待ち受ける道が、この先どんなモノだとしても…  共に歩き…  時には手を引き…  背を押し続ける覚悟が… 私はこの日のうちに出来ていた気がする。  
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26264人が本棚に入れています
本棚に追加