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1番ホームの階段。
見た感じ、ただのコンクリートでできた、ごく普通の階段でした。
3番ホームの階段。
木のツタが縦横無尽に張り巡らされた階段でした。
そして、2番ホーム。
2番ホームの階段は、
“血”
だらけです。
壁や天井、あらゆる場所に血が跳ねています。
実際、登っている最中は気が気じゃないです。
乾いているならともかく、その血はまだ、新鮮そのものでした。
それでも、必ず2番ホームに続く階段を上ってください。
必ずです。
2番ホームの階段を上がりきると、ホームに出ます。
階段の数歩先のホームの中央には、ベンチがあります。
あなたは、そのベンチに座らなくてはなりません。
ただその前に、注意しなければならないことがあります。
3番ホームです。
3番ホームは、あなたの左側に、線路を挟んであります。
絶対に3番ホームを見ないでください。
これがホームで一番注意しなけらばならないことです。
ベンチに座るまでの間、少しも3番ホームは見てはいけません。
それに注意しながら、あなたはベンチに座り電車を待ちます。
ベンチの下に赤い人形が落ちています。
それを間違っても蹴らないようにお願いします。
触るのも駄目です。
あなたは、電車が来るまでベンチから立ち上がってはいけません。
おそらく、あなたは電車を待っている間、声を聞くでしょう。
3番ホーム方向からその声は聞こえてきます。
僕が聞いたのは、女性の声でした。
まるでこの世の終わりのような、そんな声でした。
妹はその声を狐みたいだった、と言っていました。
人それぞれなのかもしれません。
兎に角、決して後ろを振り返らないでください。
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