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『今日家に来たんだって?どうした?何かあった?』
『あ~それね…実はさ…』
ちょっとした沈黙…俺はこれから何を打ち明けられるかわからなかったが妙な胸騒ぎを覚えた。
『何もったいぶってんだよ!どうしたのさ?』
『うん。今日ね明君から告白されてさ…』
俺はそれを聞いた時に胸に何かが刺さったみたいに痛かった…まさか明が本当に実行するなんて…(明というのは、俺の男友達の一人で、由紀に告白しようかな?と言ってた男である)あれは冗談だと俺は思ってた。本気だったとは思わなかった。その時の状況を淡々と話す由紀の電話越しの声を聞いてはいたが、耳から耳へと通り過ぎていった…。
『ちょっと拓斗聞いてる?』
『…あ…うん…聞いてるよ。それで?』
『うん…迷ってるんだ…明君嫌いじゃないし…それでどうしたらいいか相談に乗ってもらおうと思ってさ』
『だから来たんだ…でも俺が付き合う訳じゃないしな…』
『そうだよね…自分で考えてみる。ごめんね』
『おう。明は言い奴だよ。じゃあばいばい』
『うんばいばい』
プープープー…しばらく電話を俺は切れなかった…最後の言葉は俺の強がりだった。ふう…深いため息をついてベッドに腰掛けた。どれくらいそうしてた
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