序章

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俺は鈴木拓斗、17歳の高校二年生。それなりにうまくいってる高校生活。不意にあいつが話しかけてきた。 『何ぼ~っとしてんの?』 これは幼なじみの由紀。幼稚園からの幼なじみ、というより腐れ縁ってやつかな。 『別にぼ~っとなんかしてないよ』 『わかった!紗織のこと見てたんだ。やらしいな~』 『何言ってんだよ!やめろって!!』 不覚にも図星だった。 というのも思わず口が滑ってしまい由紀に紗織のことが好きなのを教えてしまったから…。それからというもの何かにつけてからかわれているのだ。まぁ確かに俺と紗織がつりあわないことぐらいわかってるけど…。由紀には関係ないことなのに最近すごくしつこく感じる。 『でどうなの?メールとかしてるの?』 『たまにな。』 『してるんだ。私にはメールすらないのに?』 『由紀何言ってんの?メールする必要ないだろ?』 『何で?』 『連絡しなくても毎日のように家に来てるだろ。』 『そっか。そうだね。』『だろ。』 家が近すぎるのも困りものだ。親同士も仲がいいから俺の予定とか関係なしに由紀を家に上げてしまう。まぁガキの頃から一緒だからそれが当たり前のようになってるし、あんまり深く考えてなんてなかった。
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