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「もしも~し」
『こんにちわ、成崎 翔くん。』
軽い俺の声に対しあいつの声は、男とも女とも取れない、中性的な声だった。
そして何故か俺の名前を知っていた。
俺は何か違和感を感じた。
別に声が変だから等ではなく、何か根本的に可笑しい、だが何が可笑しくて何故そう思うのかもサッパリ分からない。
何とも言えない奇妙な感覚に陥っていると、不意に電話の相手が話し始めた。
『早速ですが本題に移らしてもらいます。』
奴はそう言うと、翔の返事もなしに、一方的に話し始めた。
『公平な抽選の結果、あなたは実験体に選ばれました。実験体といっても、特別何かをしなきゃいけないとかではありませんので、今まで通り日常生活を過ごしてください。
以上です。
何かご質問はありますか?』
琉斗は心配そうにこちらを伺っている。
俺は、何の実験かを言っていないということに気付き
「すいません、何の実験かは教えてもらえないんでしょうか?」
俺の口からでた《実験》という言葉に反応した琉斗は、聞きたいオーラを放ち、俺のほうをジーっと見てきているのだが、俺は見てみぬ振りをした。
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