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この世界は、滅んだと言っても過言ではない。
実際は、世界ではなく惑星が滅んだ。
過去に起きた大地震は深刻だった。
単にプレートとか地層とか、そういう次元ではなかった。
…惑星自体の、亀裂。
地下に流れる惑星の血は地面に宿るもの全てを焼き尽くした。
そして今に至る。
「…で?」
「!!!」
振り返ることもできず、ぴたりと硬直する。
決して刃物とか銃を向けられている訳じゃない。
「…なんだか随分とカッコいい事しでかしてんだね、君は。」
「別に、何も。」
「その若さでか。何だ?まだ…高校くらいじゃねぇのか?」
まぁそんなところだろう。それはどうでもいいとして。
くしゃっ。
「あっ!」
「――何か。」
「捨てんのかよ、それ!」
「いらないし。」
「貴重な資源だろ!無駄遣いすんなよな!!」
「なら後で焚火にでもすればいい。」
すっと立ち上がって、本当に暖炉に放り込んだ。暖炉といってもデスクを組み立てて作った非常にインテリア性に欠けるものだったけど。
「あんま火ィ焚くなよ。」
さらに下の階からにょきっと顔を出してくる。
「大事な大事な酸素が無くなるぜェ?」
「じゃあお前の煙草も止めろ。」
「あっ!」
くわえ煙草を抜き取って、ぽいっと暖炉へ。
「てめっ、貴重な煙草を」
「だから?」
「~~~~っ」
分が悪いらしく、どかっと床に座り込む。
「…さて、大人しくなった所で。」
周りにいた人達がしぃんとなる。
実際部屋にいたのは5、6人。
皆中央の男を見つめた。
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