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鷹山は、少し無言で、私を見つめた後、
「…これ、やる」
と、何かを私の手に握らせた。
そっと手を開いて見ると…、制服のボタンがあった。
その、ボタンをくれた意味を…私は…まだ聞いていない。ううん…聞けないでいる。
正直に言えば…、はっきり「お前じゃダメだ」って、言ってくれなかった鷹山を…少し恨みがましく思った。
あの場で、はっきり断ってくれたら…私だって…前に進めたかもしれないのに…。
ボタン…第2ボタンなんて…くれるから……、自分の気持ちに…区切りがつけられないんだよ…。
そう思った。
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