誕生日と命日

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誕生日と命日

7月13日 それは、暑い夏の朝だった。 「仕事は休みの日だな。プレゼントも用意した、今日の花火大会も場所は取ってあるし、あと……。」 藤本は、頭の中で何度も今日の予定を呪文のように復習しながら、鏡の前で身嗜みを整えていた。 今日は、藤本の彼女の二十歳の誕生日である。 彼女とは幼少からの馴染みだった 一度小学生の時に藤本が転校してしまい離れ離れになってしまった。気持ちを伝えられないまま県外へ しかし転機が訪れた。 中3の時にこの街に戻ってきた。 そして、こっちの高校を受けて そこに…彼女がいた!! そんな一転二転三転の付き合いから明日で四年目。 前々から用意をして来た そして、昨日はわざと素っ気ない素振りでいた。 誕生日の醍醐味である。エサはまいた。後は本番のサプライズのみ すでに準備は完璧。 時間を待つだけなのだが、どうしても落ち着かない。 後4時間もあるというのに、また今日のプランを復唱し、鏡の前にいるのだった。 まるで、あの時の集団登校で一目惚れした次の日のようなドキドキ ……だいぶ時間も経ったかと、時計を見たが… …まだ30分しか経っていない。 「……下見だけでもしようかな」 藤本は、浮かれた気持ちを抑え、夏の日差しのもとに出て行った。 今、思えばそれがいけなかった。と彼は言う
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