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★蓮二目線★
何が起こったのか分からぬまま、意識は呆然としている。
一つだけ分かること。
みんながいない。
どこかで頭を打ったのだろうか。少し頭痛がする。
しかも、さっきまでテニス部の部室にいたのにここは日本史の教科書で載っていた長屋のようだ。
頭の遠くで音も聞こえる。
体の異変だろうか。
それにしても、あの光。
おかしかった。まるで、体が吸い込まれるような気がしてならなかった。
気持ちも悪い。
自分一人がここにいる意味も分からない。
夢の中だろうか。
「痛い」
頬をつねれば、痛みを感じた。
認めたくなかったが、どうやら今、見えているものは全て現実らしい。
参ったな。
ここにいれば、いずれ誰かがやってくる。
ひとまず、立ち去ろう。
周辺を散策していれば、アイツらにも会うはずだ。
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