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★精市目線★
「殿。目を開けてくだされ」
殿?
もしかしなくてもそういうこと?
「まだ眠い」
「殿。姫さまがおいでになります。起きてください」
姫?
映画村にしては、面白すぎる展開。
さっきまで、真田達と彼女の周りにいて邪魔をしていたのに。
なぜ、こんな城にいなくちゃいけないんだ。
それも姫?
可愛いのかな。彼女に劣らず美人なら、許しちゃうかも。
「さ、殿。湯殿を浴び、準備をしてくだされ」
「わかった」
家の布団にしては、模様が少し古くさい。真田や柳が気に入るような柄だ。俺だったら、間違いなくこんな柄は選ばない。
もっと、中学生らしい布団にするはず。
「わっ」
立ち上がろうとすれば、立ち眩み。
更に追い打ちをかけるかの如く、頭の中が異常に痛い。意識が遠のいていくかのようにその場へ倒れた。
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