おぼろ月夜

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貯水タンクの影から堤くんがあたしの行動を伺い、近付いてくる。 「ここ立ち入り禁止だけど。」 そらす事のないその視線に体が縮む。 「ごめんなさい」とこの場から離れようとすると、「あのさ」と呼び止められる。 「頼むから太陽に心配かけるような事しないでくれる?あいつ前にいろいろあって、あんたみたいなのほっとけないんだ。そろそろ素直になってやってくんない?」 そんなのあたしには関係のない事だ。かまわれたいわけじゃないし、むしろその逆だ。 口論になるのが嫌で黙って立ち去った。
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