おぼろ月夜

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「荷物持ちます。」 「ありがとう。」 肩を並べて歩く。昔はおばさんを見上げてたのに。こんなに小さかったかな。 あたしの視線に気付くと微笑み、溜め息をついた。 「おばさんね、女の子が欲しかったから、芽衣ちゃん達引越した時、すっごく寂しかったのよ。気が抜けちゃってね。」 太陽の家も一人っ子だった。 「戻って来たって聞いた時、すぐにでも会いに行きたかったんだけど・・・ごめんね。」 「いえ・・・。 胸が痛かった。おばさんに会う事なんて、少しも頭になかったから。
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