真昼の月

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「高校生活最後の夏休みだよ、こんなあたしなんか放って友達と楽しい思い出作ってきた方が利口だよ。」 「しつこい。それに自覚あるなら、直す努力しろよ・・・昔みたいにさ。」 だんだん声が寂しくなっていく。 『昔みたいに』 耳を塞ぎたい言葉だ。 「そんなの・・・もう忘れた。」 太陽の顔が見れなくてよかったと思う。 「お前さ、そうやって頑なに心閉ざして、誰かの事恨んで生きてて楽しいわけ?」 楽しいわけない・・・。 「楽しいわけないよな?」 また見透かされているようだ。
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