真昼の月

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何も応えないでいると、立ち上がる音がする。 「ちょっと飲み物とってくるわ、のど渇いたろ。」 というより息が詰まる。 タオルケットを顎下まで下げ、天井を見つめる。 ピロピロと味気ないケータイ電話の着信音が部屋に響く。 あたしのだ・・・と音を探すと机の上で充電されていた。 「どうして・・・?」 「機種がオレのと一緒なんだ。言ってなかったっけ?」 「うん・・・ありがと。」 「てか、せめて歌にしろよ、ピロピロって・・・。」 自分の目を疑った。 太陽の声が遠くなる。 「どうかした?」 美優からだった。 心拍数が速くなる。恐る恐るフォルダを開く。
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